森の学校ラジオ

出演者一覧

2013年07月27日

想像力と創造力。子どもに豊かな発想力を

イタリア幼児教育実践家
石井希代子さん

ishiikiyoko_top.jpg

 ここ数年、旧来の教育の在り方への反省が、さまざまな所で提起されています。
 詰め込み教育で、ものごとの答を教えられるだけでは、それを覚えることしかできません。想像したり、創造したり、何もないところから考える力は、もっと、アイディアが循環するような場でなければ、育たないものだと思います。その力がなければ、答のあるものには対応できるけれど、答の無いもの、ゼロから作らなければならないものには、手も足も出ない。そして、答のあるものに対応しているだけでは、今を暮らすことしか出来ません。新しい可能性や、新機軸、未来を創るためのアイディアは、その向こう側にあるのです。

 「レッジョ・エミリア・アプローチ」。イタリア北部の地方都市、レッジョ・エミリアで、第二次世界大戦直後に始まった教育アプローチです。独裁政治や戦争、抑圧された社会を経験した人々が、公正で自由な社会の創造を目指して、町ぐるみで、自分たちの学校を創ったのです。優れた人材を育てるためには、まず子どもから。幼児期のうちに、創造力や表現力を徹底的に伸ばす、アートの手法を利用した学習方法が行なわれています。

 もともと、アートをモチーフにした教育に取り組んでいらっしゃった石井さんは、2002年、このアプローチを研究するためにイタリアへ渡りました。4年間、レッジョ・エミリアで生活しながら、子どもと大人のコミュニケーションの取り方や、地域と教育の関わり方、育児支援、行政の働きなど、学習方法だけではなく、周囲の環境の在り方も含めたアプローチの全体を、会得して来られたのです。
 大人の知識や技能を詰め込みで教えるのではなく、子どもの個性に合わせ、一人ひとりの意志を尊重し、ものごとの本質を考えたり、探求したり、生きる力を主体的に学ぶ。子どもも大人も、双方が創造性を発揮して共に学び合う。そんな視点がこれからの教育には不可欠だと、石井さんは考えていらっしゃいます。

 1990年代以降、レッジョ・エミリア・アプローチは世界に紹介され、「革新的な幼児教育」として注目されるようになりました。日本では、まだあまり実践は進んでいないようですが、石井さんは、このアプローチを広めながら、地域ぐるみの教育環境づくりに余念がありません。子どもたちが、豊かな発想力で世界に羽ばたいて行ける未来を願って。

ishiikiyoko_bottom.jpg

レッジョ教育を広める会・@ Chiocciola @ キオッチョラ

番組を聴く

  • 前編

  • 後編

いままで出演していただいた方々

出演者一覧