森の学校ラジオ

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2011年10月09日

小さなことを、ひとつ、ひとつ

WAKUWORKS一級建築士事務所 代表 / 一級建築士
和久倫也さん

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 静かです。ぽつぽつと、言葉を考えながら、にこやかに、楽しいヒントを話してくれます。  和久さんは、森の楽校の建物をつくってくれました。白い無垢の木をふんだんに使った森の楽校は、使う人たちの気持ちにとても親しく寄り添ってくれる、わくわくする場所になっています。そこにある環境や、人の営みとともに形成された景観に逆らわず、心地よく自然に過ごせる建物を、つくってくれる建築士さんです。

 東京西部、国立市谷保(やほ)に、和久さんのオフィスがあります。かつて、このあたりは、甲州街道と多摩川に沿った湿地帯に、農村として発達した谷保村(昔は「やぼ」と言ったそうです)。交通の激しい国道20号線に分断されながらも、開発の手を逃れた古い佇まいが、あちこちに残っています。  江戸時代の谷保村名主だった旧家の、森のような敷地に、使われなくなった古民家がありました。和久さんは、およそ1年かけて建物や庭に手を加え、カフェ、ガーデン、工房、オフィス、シェアハウスで構成された「やぼろじ」という場所をつくりました。「やぼろじ」。つまり、やぼ(谷保)の、ろじ(路地)です。敷地の周囲を走る路地からの視点を基線に、この場所をデザインしたそうです。  景観のための美的センスが形成されないまま、ごちゃごちゃと急激に開発されてしまった東京の街で、路地は、とても魅力的な、人間が暮らす空間です。その路地に開かれた「やぼろじ」は、この一画に、とてもホッとする雰囲気を醸し出しています。東京西部、国立市谷保(やほ)に、和久さんのオフィスがあります。かつて、このあたりは、甲州街道と多摩川に沿った湿地帯に、農村として発達した谷保村(昔は「やぼ」と言ったそうです)。交通の激しい国道20号線に分断されながらも、開発の手を逃れた古い佇まいが、あちこちに残っています。

 それもそのはず。和久さんは、この「やぼろじ」という場所だけではなく、この一帯を視野に入れた、とても興味深い街区のプランを隠し持っていらっしゃるのです。実現したら、あちこちにわくわくが散りばめられた、楽しい街になりそう。過去の歴史も現在の環境も、すべて踏まえた大きなアイディアです。

 けれど、和久さんは「そんなに大きなビジョンがあったりするわけじゃないんです」と、にこにこ顔。「考えているのは、目の前にある空間だけなんです」。  その、目の前のことをひとつずつ、ただ丁寧に、職人さんたちと近い距離で、つくっていくのだそうです。気がついたら、みんながわくわくしてくれるものができていて、「そんなものが街のあちこちにできてったらいいな」という感覚で、つくっているのだそうです。

 和久さんと、和久さんのチームがつくる、いろいろな形のたてものが、ビルだらけの都市空間にも、緑いっぱいの田園空間にも、その場所に相応しい美しさと、わくわくする物語を繋げながら、少しずつ広がって行ったら楽しいですね。

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WAKUWORKS やぼろじ

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