まず「中医学」という言葉に耳馴染みのない方もいらっしゃるかもしれません。中国の伝統医学のことを「中医学」と呼び、日本でいう「漢方※1」とは少しだけ異なります。
今回ご紹介する「中医学」は実は中国の文化や思想が深く関わっています。哲学的概念でもある「陰陽五行説※2」をもとにしていて、自然も人と同様「いのち」のあるものであり、人の体も自然との調和が大切だと考えます。
自然のうつろいは植物の成長と同じしくみでめぐっています。春は大地が目覚め始めて虫は動き出し、草木は芽生えます。夏は木が育ち、しっかり根を張り葉が茂ります。秋は冷え始めて草木が枯れ、成熟した果実が落ちます。冬は冷えて大地が凍り、虫は冬眠に入り、人は家に篭り、寒さを凌ぎながら体を温め精気を保蔵し、春の到来を待ちます。
この季節の変化に人の体を合わせることが「いのち」を養生する第一歩なのです。
後漢の時代の中国医術が日本に入り独自の発展をとげたものです。
古代中国では自然界のあらゆるものの中に「陰」と「陽」という二つの側面と、木・火・土・金・水という五つの要素が存在すると考えます。それぞれがお互いに影響しあい変化が生まれます。陰陽は単独で存在することはなく、人の体も含め自然界のあらゆるものは、このバランスで成り立っていると考えられています。